不動産登記の種類と手続きの流れ
不動産登記は、登記を行う動機・原因により種類が区別・類型化されています。
まず、不動産登記は表題部と権利部に分かれています。表題部とは不動産の情報が記載されている部分のことをいいます。
具体的には、登記原因とその日付・登記の年月日・土地の所在する住所・地目・地積など、不動産を識別するために必要な事項が登記事項として挙げられます(不動産登記法27条各号、34条1項各号参照)。この表題部に関する登記が必要なのは、一般的には家屋を新築した場合になります。
これに対して、権利部に関する登記は相続や売買・贈与契約により不動産の所有権を取得した場合など、より広範な取引において必要となる登記であるといえます。権利部とは、文字通り不動産が関与する権利についての情報が記載された登記のことをいいます。
最も一般的な権利部に関する登記は、所有権移転登記であり、相続や契約により不動産の所有権を取得した場合に必要になります。
また、新築の家屋の所有権を取得した場合にも、権利部に関する不動産登記は必要になります。ただしこの場合は所有権保存登記をすることになります。つまり、新築の物件の所有権を取得した場合には表題部・権利部のいずれにも登記をする必要があるということになります。
所有権以外にも様々な権利を登記することができます(不動産登記法3条各号参照)。
中でも所有権移転登記に次いで一般的に用いられるのは、債務者の不動産に債権者が抵当権を設定したことを示した抵当権設定登記です。
これは、具体的には住宅ローンを使う場合に貸主が設定するものです。住宅ローンを完済したのち、抵当権抹消登記をする必要があります。
このように、まず不動産登記は不動産の情報を示す表題部と、不動産に関する権利の所在を示す権利部の2つに分かれています。
そして、どのような要因により登記するかにより権利保存登記・権利(所有権)移転登記などと登記の種類が異なります。
そのため、それぞれの登記に合わせて必要書類も異なることになります。
不動産登記は法務局により行われます。そのため、不動産登記手続きの流れは、①必要書類を集める、②必要書類と登記申請書を法務局に提出する、③登記官による審査ののちに登記簿に記載される、④権利証を受け取る、という4つの段階に分けることができます。
不動産登記の申請者にとって重要なのは①、②の必要書類を集め、法務局に提出すること、そして④の権利証を受け取ることです。
無事登記簿に記載されることが通知されれば、不動産登記の申請者は登記の完了から3ヶ月以内に登記識別情報通知書(「権利証」と通称されます)を法務局に行き、受け取ることになります。
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