遺言の検認とは
■ 遺言書の検認とは
被相続人が死亡し、いざ相続をするとなった時に遺言書の有無が重要になります。遺言書をあらかじめ作成していた場合、遺言書を保管していた者や遺言書を発見した者は遺言書の検認手続きというものを行わなければなりません。
検認手続きとは、家庭裁判所に遺言書が実際に存在したことを確認し相続人に知らせ、後に遺言書の偽造や変造を防止する目的で行われます。ですから、遺言書の内容や効力を証明する手続きではありません。遺言書の検認手続きは法律で定められた義務(民法1004条)ですので、検認手続きを受けていない遺言書を開封してしまうと、民法によって罰則を受けることがあります(民法1005条)。
■ 検認が必要な遺言書
遺言書の中でも、検認手続きが必要な遺言書と不要な遺言書が存在します。兼任が必要な遺言書は、自筆証書遺言と秘密証書遺言です。
これらは、被相続人が作成した遺言書ですから、遺言自体が改ざんされやすいなどの危険性を含んでいます。
ですから、未開封の状態で遺言書を家庭裁判所に持っていき、検認手続きを受けることで遺言書が確かに存在していたことを証明できます。
一方で、公正証書遺言は、被相続人の遺言内容を証人立会いのもとで公証人が作成します。
公的機関が介入した遺言書ですから、遺言書の改ざんなどの恐れがないため、検認が不要となっています。
ちなみに、自筆証書遺言でも、法務局による遺言書の保管制度を利用していた場合には、検認手続きが不要になります。
■ 手続きの流れ
被相続人が死亡し、遺言書を発見および保管していた者は直ちに遺言書の検認手続きを家庭裁判所に申請する必要があります。
申請には、検認申立書、遺言者(被相続人)の出生から死亡までの戸籍を証明するもの、法定相続人全員の戸籍を証明するものなどを揃えて家庭裁判所に申請します。提出書類の不備がなければ家庭裁判所から検認手続きの検認日が通知されます。検認日当日は、申立人が遺言書を持参し家庭裁判所に赴き、検認手続きを行います。無事に検認手続きが終われば、相続手続きなどができるようになります。
■ 検認手続きにかかる費用
遺言書の検認手続きには、家庭裁判所へ申請するため、一定の費用が発生します。
遺言書1通あたり800円分の収入印紙と家庭裁判所から通知などの連絡にかかる郵便切手代、戸籍謄本などの必要書類作成費用がかかります。
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